聖者

ラマナ・マハリシ

ラマナ・マハリシ



アルジュナの戦ったこの戦争は欲望との戦いを象徴している。私たちが臨むこの感覚との戦いも、神に結果を捧げることでその束縛から逃れ、永遠不滅の境地に達することができるのである。

無執着を説く勇ましいクリシュナとは対照的に、青年期の牧童クリシュナの物語は甘く激しい恋の物語である。彼の奏でる魅惑的な笛の音に誘われて、女たちは皆取る物も取りあえず、密会の場所ヴリンダーヴァナの林へと急ぐ。その中に牛飼いの娘ラーダーの姿があった。ラーダーがクリシュナに抱く愛、それは魂から神に向けられた無条件の愛を表している。ただ愛ゆえに愛し、すべてがその愛のうちに忘れ去られる。熱情は高まり、もはや何ものにも神以外を見ることはできない。魂があげるその狂乱の叫びに、愛なる神は応えざるを得ない。ラーダーを探してクリシュナは必死の思いで林を駆け回り、彼女を見つけると優しく抱きとめた。

世間での快楽や義務、自らの傲慢も正気も脱ぎ捨てて裸となった魂を、神は自ら抱き上げに駆け寄るのだ。二つは溶け合い、ただ一つの愛の中で永遠に結ばれる。他には何もない。他に何を求めよう。尽きることのない至福の歓喜のうちに、神も人も一つとなる愛の真実がある。

(絵:ダヤーマティー)