ヨーガの教え

ヨーガの真髄

「自分が自分を生きる――信念と勇気」

佐野さんは、アーサナと識別、集中のお話がたいへん分かりやすかったですと、緊張しながら感想を述べる。

佐野「例えば仕事であったり、家庭であったり、一緒にいる人のために私ができることは前向きにやろうという気持ちは頭ではあるのですけれど、実際には自分の弱さで実行しきれないところがあります。他者のためにということを実践する上で、覚悟、情熱、それ以外に気を付けなければいけないこと、また自分に負けそうになった時に注意しなければいけないこと、そういうことをお伺いできますか」

ヨギ(即座に)「あとはね、勇気です。それが備われば他者の目も気にしなくて済みますし、(力強く)自分の信念というものを信じることができます。それは自信というものです。そしてそれが純粋になっていけば、やがて信仰という、純粋な信仰というところに通じていきます。だからまず勇気をもって、拙くてもいいから実行すること。その習慣を付けてやることですね。それで一歩ずつ進んでいくことができると思いますよ」

佐野「分かりました。ありがとうございます」

ヨギ「私も中学生の時からヨーガを始めていたのですけれども、当時ヨーガなんてまだ誰も知らなくて、一人それをやっていくのには、やはりかなりの信念と勇気を必要としました。同時に他者の価値観や社会の価値観で自分が在るのではない、自分の信念によって、あるいは理想によって自分が在るということも、その時信じていました。他でもない、生きるということは自分ですものね。自分が自分を生きるというこの原点に戻れば、やはり自分を大事にせざるを得ません。大事にというのは甘やかすという意味ではなくて、より良い自分というものを、理想というものを、やはり自分の中に見つけ、そうして(強く)そう成るように、これが本当に自分を生きるということであるし、またヨーガはそのようなことを強くバックアップしています」

ヨギは自らの実体験とともに、私たちが真実に向かって生きるよう促してくださった。まさに空間すべてに勇気が与えられ、それは誰もの心の奥深くに浸透していくようだった。

友人に紹介されたという初参加の女性は、精神的な安定を求めているという。

女性B「何か朝起きた時に元気になる一言とかありますか」

ヨギ「そうですねぇ……何でもいいから自分の好きなもの、お花でもいいし、何でもいいのですけれど、それに『おはよう!』と声をかけることです。そこから始めてください」

川瀬「真我は肉体と心にガードされていますよね。人間は必ず心というものに包まれていて、それを取り去ることがアーサナであったり、瞑想であったりするじゃないですか。それが全くない人は、私の知り合いではヨギさんだけなんですけれど(皆爆笑)、心がなく生まれてくる人はいるのですか」

ヨギ(即座に)「いません。私だって心はもちろんありますし(笑)、血も涙も出ますけれども(皆爆笑)。でもその心の透明度だけだと思うんです。その違いだけだと思います。その透明度を悪くしているのがカルマというようなものに値しますね」

川瀬「でもなぜその真我を見ようと思ったんでしょう? 包まれているということも知らずに生きている人間なんてごまんといると思うんです。どうして透明度を高くしようとヨギさんは思いましたか」

ヨギ「そうねぇ。でも誰だってたぶん、本当のもの、本当の幸せ、本当の愛、本当の自由、本当のものというのを求めているに違いありません。そして心が経験するこの世の出来事はすべて、本当ではないということも教えてくれます。それでもまだ本当のものを求めるのは、心の奥底に宿っている本質への回帰みたいな、本当の故郷(ふるさと)に帰ろうという、そんな力が働いているのかもしれません」

川瀬「その時のタイミングが人間はいろいろだから、そのまま気が付かないで肉体の一生が終わる人もいれば、生まれた時からそれを考えている人もいれば、こんな中途半端な時期に来る人もいるんですね」

ヨギ「でもね、誰もがいつでも、どこででも求めているに違いありませんよ。ただそれをどのようにして打開していくきっかけを得るかという、そのご縁というか、それ次第じゃないかな」

川瀬(涙ぐみながら)「世の中のことをいろいろと見ていると、どうしても弱者の人は助けがないということがいっぱいあるから、どうしてあげたらいいのかなというふうに思って質問しました」

ヨギ(優しく)「自分のできることを精いっぱいやってあげてください」

率直に質問する川瀬さんに、ヨギは親身になって慈愛深く応えられた。

終了時刻が迫り、アムビカーが他に質問はないかを確認をすると、江利川さんが、最近やっとヨギのお話が腑に落ちてきた、こうしてヨギと出会えた吉祥な縁というものを感じ、幸せに思う、またヨギには長生きしてもらいたいと感謝を述べる。感極まっていた何人もの人たちは大笑いしつつも、感謝の気持ちとともに合掌をする。

ヨギ「私もずっと京都に住んでおりながら、なかなか大阪が遠くて、何年かぶりにこうしてサットサンガとして、多くの方と時を過ごすことができて本当に嬉しく思っています。もしまた望まれるなら、何度でもいつでもやってきますので、これからも共により良い時を過ごすために、ちょっと堅苦しい言葉だけれど、皆で精進していきましょう、ということになるのですが、楽しく生きていきましょう。ありがとうございました」

全員「ありがとうございました」

マーダヴィー「ヨギさん、またすぐに大阪に来てください!」

ヨギ「はい、喜んで!(笑)また、皆さんも京都も近いですから、ぜひアーシュラマの方にお越しください。いつでも歓迎します。では名残惜しいですが、またの機会を楽しみにしています」

皆が笑顔で晴れやかに会場を後にしていくのが、実に印象的なサットサンガであった。

ヨギはどんな質問も真摯に受け止められ、一つ一つ丁寧に、相手の心に届くようにお言葉をくださった。この日、インスパイアされた参加者からは、求めていた答えをすべていただくことができた、真実の歩みに近づけたなど、確かな感想が多く届いた。そしてさらにもっとヨギのお話を直接お聞きしたいという、師との面会を待ち望む声も上がってきている。

 

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