母なる神秘

9月下旬に、大阪にある「いるかこもれび助産院」さんに行ってきました。同じ師の下でヨーガを学んでいる「いるかこもれび助産院」の田原さんと平井さんから、「安産のためのヨーガ(マタニティ・ヨーガ)」の写真撮影のお手伝いを依頼されて訪問しました。

男性の私にとって妊娠や出産は体験不可能なので、妊婦さんをみても、「あぁ、お腹が大きくなってきたな〜」「陣痛大変そうだなあ」というくらいしかわからないのですが、今回撮影を通して、こんなにも不思議な働きが女性の身体と心には起こっているんだということを目の当たりにして、ちょっと驚いてしまいました。

驚いたこと!

驚いたこと①.骨盤が緩む

最初、臨月の妊婦さんのアーサナの撮影をすると聞いたとき、「え〜〜、臨月でアーサナの撮影とかしても大丈夫なのかな〜?!」と内心とても心配していました。

シッダ
今回のモデルをされたIさん。真正面から見るとあまり目立ちませんが、37週の立派なお腹でした。

ところが話を聞くと、臨月になってくると、女性の身体はいよいよ出産の準備をし始めるために、骨盤が緩んできてむしろすごくできるようになってくるアーサナもあるらしいのです。へぇ〜って驚いて、「骨盤が緩むってどんな感じなんだろう?!」って想像してみましたが、よくわかりませんでした。多分骨盤の周りの筋肉が緩んでくるんだろうなあと想像しましたが、なかなか緩むことがない骨盤周りの筋肉が出産では自動的に緩んでくるんだと思い、不思議な働きに驚きました。実際、Iさんは本当によくアーサナができていました。

ただ生理的なことだけではないと撮影中に思ったのですが、1カ月前のリハーサル時にお見かけした時よりも、予定日に近い本番撮影時の方が、内面に向かう状態が深まっているように感じました。体内のプラーナ(気)が新しい生命である赤ちゃんに集中してきているためか、彼女の心は赤ちゃんに自然に集中し、すごく安定し、安心の境地にあるように感じました。独特の集中感、安心感に、なんだか母なる小宇宙の神秘を感じました。

驚いたこと②.アーサナ中にとても変化するお腹の大きさ

今回の撮影では、34通りのアーサナを撮影していったのですけれど、そのアーサナの最中にどんどんお腹の大きさが変わっていったことには一番驚きました。小さくなったり、大きくなったり、とても不思議な・・・!「おぉ〜!赤ちゃんは一体どこに行っているんだろう?!」と思ってしまいました。

魚
魚のポーズ。

逆に言えば、それだけアーサナの効果が目に見えて現れているということであって、アーサナによってお腹の張りが緩み、仰向けになった時に、明らかにお腹がなだらかになっているのでした。

アーサナは身体のプラーナの状態を調えてくれますが、妊婦さんにおいては、アーサナは出産がスムースに進むように身体と心を調えてくれる力があるんだと感じました。田原さんは、「あかちやんにもお母さんにも生まれる力と生み出す力がそなわっているようです。でも、自らそなわっている力を、心の仕業によって不安を感じたりして、邪魔をしてしまいます。アーサナはその心を制御します。すると、その力が自然に蘇ります」と言われていて、なるほどな〜と感心しました。

特に、いるかこもれび助産院さんで指導しておられる「安産のためのヨーガ」は、マハーヨーギー・ヨーガ・ミッションで行なっているアーサナに基づいて、師の指導の下で田原さんらが開拓してこられたものなので、お腹の大きさがどんどん変わることを目の当たりにし、これは本当に凄いなあ、妊婦さんはぜひともこの「安産のためのヨーガ」をやるべきだと思いました。もちろん、アーサナだけでなく、生命の意味や母なる働き、生き方についても学べますから、こういうヨーガがお母さんたちに広がっていけばいいと思いました。そうすればきっと、そのお母さんから子供たちへと、真実の生き方が広がっていくことでしょう。

捻り
捻りのポーズにてサポートされる田原さん。一目見ただけで妊婦さんの状態を感じ取る豊かな見識と経験をお持ちです。

ヨーガでは、万物を生じさせ育む大いなる働きをシャクティと呼び、女神として信仰されています。出産はまさにそのシャクティの神秘的な力の現れなのだと思います。その力によって出産に向けて女性の身体と心は変化していくのですね。私たちの知らないところで、日々そのようにシャクティの力は働き、日は昇り日は沈み、花々は咲き散るのですね〜。私たちのこの小宇宙(身体)も、もちろん出産だけでなく、あらゆる生理的・心理的働きも、ひと呼吸ですらがシャクティの働きによって支えられているのだと思いを馳せました。

撮影は部屋の中でしたが、母なる大宇宙の神秘的な働きを感じたとても有意義なひと時でした。

驚いたこと③.臨月なのにうつ伏せ

最後に驚いたのは、撮影が終わり、楽しいランチも終えて、一息つきながらマッサージを受けていた臨月近くのIさんが、うつ伏せで寝ている姿を見た時でした!「えっ!臨月でも、うつ伏せで寝られるの?!赤ちゃんは大丈夫なん?!」と単純に驚いてしまいました。

驚いたこと④.超安産!おめでとうございます!

10月2日に、Iさんは無事に3152グラムの女児をご出産されました。何と、逆児にもかかわらず陣痛が始まってから2時間でお産を終えたそうです。超安産ですね!さすがと言わざるを得ません。おめでとうございます!

サーナンダ

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