皆さん、こんにちは、下鴨ラージャ・ヨーガクラスを担当しているダルミニーです。
ある時、師はこうおっしゃいました。
「みんな自分は特別だと思っている」「みんな自分は正しいと思っている」
本当にそうだなと思いました。あなたも自分の考えは正しいと思っていませんか?私もそうでした。人はみな自分の経験と照らし合わせて、それと違うことは正しくないと判断するのです。「私は正しい、でもあの人は間違っている」それがこの世の争いの原因ですよね。
常識と言われるものもそうですよね。常識は世界各国で異なっています。日本では常識であることも他国にいけば非常識です。それは皆さんもよくご存じのことでしょう。常識と言われるものも本当はあやふやなものなんだなと思いました。常識と言われることも自分が正しいと思うことも、常に移り変わる人の心が作り出したもので、本当は実体のないものなのです。私たちも、みな誰かに評価されます。子供の頃から、まず親に兄弟たちと比較され、小学校に上がるとすぐに通知簿が付けられます。大人になっても上司や周りの人に評価され、それが私を判断する基準になります。
ところが師はおっしゃいます。
「物事の判断基準は、それが真理なのか、真理でないのかだけです」
では真理とは何でしょう?真理とは、永遠にあるもの、純粋であるもの、本当の幸せであるもの、本当の私であるものです。考えてみてください、およそこの世で永遠なものなどないですよね。私たちのこの身体もいつかなくなります。そして心も、いい時もあれば悪い時もあるし、いつも動揺して止まない、永遠に変らないものではありません。それを聞いて、私は本当に悲しくなりました。この世に真理なんてないんだと。
でもその後、師はおっしゃいました。
「誰もの中に真理はあります。それこそがリアリティです」
「この世の変動して止まないものを追いかけるよりも、自分自身の中にある真理を求めなさい」
私はその言葉に救われ、心が軽くなりました。今までの判断基準が間違っていた、自分をああだ、こうだと判断しなくていい、他者のこともあれやこれやと判断しなくていい、だってみんなが真理なのだから。それから私の判断基準は簡単になりました。「これは真理か」、この世で真理にあるものなどほとんどありません。それはすぐに捨てればいいのです。
しかし、なかなか言うことを聞かないのが私たちの心です。
そのためには、皆さん、これからが本題です。ヨーガのアーサナ、瞑想が不可欠です。すべては呼吸が鍵を握っています。呼吸を変えなければ心は変わりません。不動のものに心を寄せるには、心を不動にしないといけないのです。ヨーガは私たちの疑問にすべて答えてくれます。本当です。自分自身のことは自分で責任をもたなければいけません。誰もやってくれません。自分のことは自分でしましょうね。私もそうです。呼吸は一朝一夕には変わりません。毎日のアーサナと長い間の修練が必要です。でも必ず呼吸は変わります。呼吸が変われば心が変わり、真理を理解し深めていくことができます。
今の自分から自由になることができますよ。さぁ、今からアーサナをしましょう。