3月に入り、少しずつ春の芽生えを感じる今日この頃ですね。プラーナ(気)が変わってきました!
さて、長岡京のヨーガ・瞑想クラスに通い始めて7年目になる篠田さんは、昨年から瞑想専科などにも熱心に参加されています。今回、どのようにヨーガに向き合われているのかお話しを聞く機会がありましたので、インタビュー形式でご紹介させていただきます。
——ヨーガを始めたきっかけはなんですか。
すぐ怒る性格を直したいと思ったからです。ある人から、「もし猿が怒った時に木に登るのだとしたら、あなたは一瞬で一番高い木のてっぺんまで登ってしまう猿だね。」と例えられるほど短気でした。当時は怒っている自分にも正しい理由があると信じていて、なぜ怒ってしまうのかが分かっていませんでした。でも今思えば、自尊心とか執着とかが強くて、自分にとってすごく大事にしていることを傷つけられると、それを守るために怒ってしまっていたのだと思います。
瞑想をすると怒らなくなると聞いて、「ヨーガ・瞑想クラス」に行ってみました。でもアーサナはとてもきつくて、ハードルが高いと思い、1回受講して足が遠のいていました。それでもまた行かなければと思っていた時に、ちょうど初心者向け体験クラスが始まって、初心者クラスならついていけるのではと思って受講しました。最初は5つのアーサナだけだったので、これなら続けられると思いました。その体験クラスにはレクチャーや宿題もついていて、愚痴を言わないという宿題をしたり、エゴについて学んだり、その中に怒りについての話もあり、それを通して、自分の心を客観的に見るということができました。私は理屈で理解するタイプだったので、それがとてもよかったです。2013年の新春でした。
——ある時期から、すごくアーサナの集中感が出てきましたよね。
クラスに通う中で毎日アーサナをしなくてはと思っていてもなかなかできていなかったのですが、ある時1ヶ月以上毎日集中してアーサナをしたことがありました。その時期に、それまで全然できなかったパシュチモーッターナ・アーサナ(前屈のポーズ)が急にできるようになったんです。それを機会に連鎖的に他のポーズも深くできるようになり、それぞれのアーサナがリンクしていることを体感して、アーサナがとても面白くなっていきました。
——ヨーガをする目的は、人間として成長したいからと以前お聞きしたのですが、それはどういう意味ですか。
それは自分自身が未熟、稚拙だと思っているので、大人になりたいと思ったんです。大人の意味は、常に周りを気遣える、優しさとかゆとりのある人間という意味です。いつも自分のことしか見えていなくて、後で反省することが色々あり、そういうことが自然にできる、身についている人間になりたいと思いました。
それで、クラスでプラーナーヤーマ(呼吸法)の実習が始まって2、3日した後、いつも嫌な人のことを考えるとその思考から抜け出せなかったのが、「この人にもいいところがあるかも」という思いが自分の心から自然に出てきてとても驚いたんです。そういう視点は今まで持ったことがなかったので、偶然かもしれませんが、「これはプラーナーヤーマの効果かも」と思って、もっといろんなものを変えてみようと思い、それまで気を払っていなかった食事をさまらさ風に変えていってみました。そういうふうに、自分の中で何かのチャンネルが切り替わっていったのです。
——昨年から、瞑想専科にも毎週通われていますし、さまらさの台所にも参加されましたものね。ヨーガをしていると、目から鱗が剥がれるように感じることがありますが、チャンネルが切り替わったのですね!最近バクティ・サンガムにも毎回参加されていますが、キールタンはどうですか。
キールタンは、数年前に一度聴いた時、なんて退屈な歌なんだ、最後まで聴いていられないと思ったのですけど、ある時ミッションから動画が配信されたので聴いてみると、とても心地よく感じたのです。やはり何かが自分の中で切り替わったのだと思います。今は本当に楽しくクラスで歌っています。台湾の方が参加されていた時に一緒に歌ったのですが、とてもパワフルで、キールタンには国境はないんだと思いました。
またバクティ・サンガムでは聖者の物語の紹介があって、以前は、聖者とか言っても全然知らない人だし関心ないのだけど、とか思っていたのですが、今は是非とも知りたいと思うようになったので、その物語が聞けるのが楽しいです。
バクティ・サンガム。一番奥が篠田さん。
——それで目標としていた大人に近づいていっていますか。
そう感じることがあります。例えば、悔しい出来事があった時は、それまでは自分視点でしか考えられず、相手を言い負かすことがメインの目的だったのが、そんなことはどうでもいいことだと思えるようになってきました。その時に一歩下がってこの問題を解決するにはどうしたらいいのかと考えられるようになりました。まだ毎回できるわけではないですが。
——ヨーガのこれからの目標などはありますか。
私には悟りという大きな目標はまだ霞の向こうにあるような感じなのですが、クラスに通っていると、いつもサーナンダさんやマードゥリーさんから次の目標が用意されるから、一歩ずつ階段を上ることができるように感じているので、それがとてもいいです。だから、今はクラスにさえ通っていれば次の目標が与えられるんだと思っているので、よろしくお願いします。
長岡京バンビオクラスにて。左から、サーナンダ、篠田さん、マードゥリー。
篠田さんは、本当にある時から見違えるほどアーサナの集中感が増してきたことをよく覚えていますが、やはりヨーガはやっただけ自分に良い変化をもたらすのですね!話を伺っていて、その背後に呼吸の変化やプラーナの集中、そして心の変容があるように感じました。実に科学的で普遍的!熱心にやっていけば、誰もが恩恵を授かることができるんだと思いました。傍から見ていて明らかに何か余分なものを脱ぎ捨てていっているような感じで、その充実感がよく伝わってきます。
こちらこそ、これからもどうぞよろしくお願いいたします。(サーナンダ)