3月20日は春分の日でしたね!松山ヨーガ・サークルのアーナンディーです。
松山ヨーガ・サークルでの瞑想特別クラスも3年目を迎え、今年はヨーギーの生き方に学ぶ7回シリーズが2月から始まり、3月18日に2回目がありました。講師はサーナンダさんです。
今回は34名(男8名、女26名、初参加5名)の方が参加されました!
サーナンダさんが「来週は春分の日ですね。昼と夜のバランスがとれているので瞑想しやすい季節です。この頃からヨーガを始めると成就するといわれています」と優しく柔らかい声で話された時、まるで会場に春が呼び込まれたように一気に和やかな雰囲気になり参加者の皆さんが希望で胸が満たされたのが伝わってくるようでした。
おさらいで瞑想の基本を教わり皆で10分ほど座ります。
瞑想のあと、いよいよ本日のテーマ「無執着の生き方」の本題に入っていきます。
全部ご紹介したくてムズムズするほど本当に面白い内容だったので長くなってすみません!
要点としては
1、 ヨーガの極意は執らわれないこと
2、 無執着の秘訣
3、 ヨーギーの日常
という流れでヨーギーの生き方をわかりやすく紹介してくださいました。
最初の導入としてサーナンダさんは十八番のシュークリームを事例に話されました。
「たとえばシュークリームに執着するということは自分がシュークリームの奴隷になっているようなもの。そんな人生、嫌ですよね(笑)しかもたとえばカスタードクリーム系にこだわりがあるとします。するとカスタードクリーム系シュークリームしか食べられなくなる!不自由だと思いませんか?美味しいスイーツがたくさんあるのに、それしか食べられないなんて。なぜ、それにこだわるかというと、たいしたきっかけではないんですね。たとえば好きな人が生クリームとカスタードクリームのダブルシュークリームが好きって言ったらすぐに変わるでしょ?(皆爆笑)そうやって心って変わっていく。こだわりがある方がかっこいいと思いがちですが、心がこれが美味しいと幻想のように執らわれているんです。執らわれ=不自由です。でもヨーギーは執らわれがないから、空っぽで自由自在。何でもできるし何もしないでもいられる。シュークリームを趣味や仕事や考え方、生き方などに置き換えてみればいいのですが、いずれにしても執らわれが自分を不自由にしているのかもしれません。
では、意見や志は必要ないのかというと、自分の意見や志は大いにもつべき。ただ、こだわらないだけです。そうすると違う意見や志も尊重することができる。自分の意見も大事にするけれど、他の人の意見も大切にできる」
サーナンダさんはさらに、よくある日常的な事例として、嫉妬、卑屈、思い込み、過去の記憶など心を乱すものがどのような執らわれによって起こるのか、そしてヨーギーのあり方はどうなのかをひとつひとつ話されました。
最初はシュークリームの事例で他人事のように大笑いしていた皆さんもだんだん、ああ、こんなにも執らわれていたのかと気付かされ、次第に真剣な質問がたくさん続き、サーナンダさんの明快なお答えに唸ったり、考え込んだりしました。
私がとても印象に残ったのはサーナンダさんの次の言葉です。
「無執着の別名は無一物(むいちもつ)です。腹の中に一物もない。腹=心のこと。先ほどの嫉妬などの事例は腹に一物があるということですね。いろんなものが何にもなくなった時が無一物です」そして終盤に話された次の言葉です!「空っぽじゃないといけない世界があるんです。一物をもっていると真理にたどりつけない。物にしても考えにしても、悩みにしても、何かに執らわれていては見失ってしまう。真理は無限の喜びといわれます。ハートに無限の喜びがある人は何にも執らわれないのでしょう」
このように誰もがヨーギーの生き方に理想を抱き、憧れをもって近づけるように励ましてくださいました。参加者の皆さんの声を少しご紹介します。
- 心のあり方としての無執着について事例をあげていただき、より具体的に理解できた。そもそも条件付きで物事をみてそこに価値を見ていた。真理に沿った心のあり方、無執着に向かってサットヴァ(軽快)になっていきたい。
- 自分自身、レッテルを貼る。感想を持つ。違いに執らわれる・・・すべて当てはまり茫然自失。でもブッダの憂いを離れた境地に瞑想するというのを今日初めてやってみたところ少しだけ感じられた気がして心地よかった。
翌日のサットサンガも大変充実した時間で「理想を明確にするには?」「謙虚について」「依存から抜け出したい」など実践に基づいた熱意のある質問ばかりでした。
土曜日の講座と関係する質問でサーナンダさんのお答えで印象的だったものをひとつだけ紹介します。昨日の講座を聞いて、違いに執らわれないということは何となくわかるが、実際なかなか思うようにいかず、いつも執らわれてしまい、全然変わらない。どうすればいいのかという真剣な質問者の問いに対して、サーナンダさんは少し考えられ、次のように話されました。
「本当にカルマの力って強いんです。ヨーガを始めた最初の頃や、聖者にお会いした時、大きな衝撃を心が受けてカルマの力が弱まるということが起こります。やっていけそうな気がします。でも放っておくとカルマの力がまた盛り返してくるかもしれない。心が円柱だとしたら、日常で顕在している心は円柱の上の部分だけですが、心の大部分は潜在下にあると言われています。1回や2回教えを聞いて頭では理解できても、それは表層部分の話で、心は潜在下では全然納得しておらず、カルマの影響を受け続けているかもしれません。少しばかり瞑想しても、心全体をすぐさま変えることは難しいのです。だから繰り返し繰り返し理解を育んで実践して体得していく必要があります。しかしそれでも、潜在下ではカルマの掃除が進んでいるんですよ。それが自覚できるほど表層に変化が表れるには少し時間がかかります。
今はまだ変化していないように感じるかもしれませんが、実践していけば、いつの間にか執らわれはなくなっていきます」
サーナンダさんの謙虚さと誠実さを感じた濃密な2日間。そこには常に師であるヨギさんを見倣う姿がありました。
そして敬愛するヨギさん、さらに熱意を込めて実践を続けることで感謝に代えさせていただきたいです!いつも本当にありがとうございます。
アーナンディー