さまらさの精神を学ぶ・オンラインクラス台湾を通して

昨年の秋、台湾から1通のメールを受け取った。

「台湾のみんなは”さまらさ”に興味があります。以前先輩たちから、台湾の食文化に沿った”さまらさ”をしたら良いとアドバイスをいただきました。そこで、”さまらさ”の精神を学びたいです! 感謝の気持ちで食材をいただくとか、旬の食材を選ぶとか、調味料を入れすぎず食材の元の味を味わうなどなど、その精神を学んだら、どこでも応用できますよね!」

読んだ瞬間、胸が高鳴った。文化や風習は異なっても、ヨーガの食の教え「さまらさ」の精神を知ることで、その地域らしさを生かしたヨーガの食事を学べる。台湾の皆さんと一緒に、その始まりを体感したいと思った。

そこで、前後編の2回の講座形式のオンラインクラスを翌春に開催することが決定し、準備がスタートした。互いの母語が異なるため、通訳と翻訳、資料作成を台湾のグルバイにお願いしたが、いずれの作業も大変さは計り知れず、特に翻訳は時間がかかる。にもかかわらず、幾つもの作業を快く引き受けて粛々と進めてくださり、その仕事ぶりに学ばせていただいた。頭が下がり、姿勢が正された。

春―3月と4月、「さまらさの精神を学ぶ・オンラインクラスー台湾―」開講。

                                  マードゥリーとサラニーが担当

各回15名ほどの方が出席され、みなさんが熱心に耳を傾け、たくさんの質問をされた。画面越しに伝わってくる溌剌(はつらつ)とした空気、表情豊かな同時通訳に引き込まれ、2回のクラスはあっという間に終了した。基本の教えをお伝えするだけで精一杯であったが、師の教えを共に学ぶ、新鮮な歓びに満たされた。そしてクラスの終了後にいただいた感想を拝見し、しっかりとさまらさの精神が綴られていて感動した。御許可をいただきその一部をご紹介します。

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最初は、キッチンに行かないで、料理をどのように学ぶのかと思いましたが、調理法より大事なヨーガの食事の精神を教えてくれるんだと分かりました。体は悟りへ向かうための乗り物で、新鮮で清らかな食物を取ることによって食物からエネルギーを得て、自然と一緒に生きる喜びを感じられる、などのヨーガの教えを学びました。講座を終えた今は、どのように食物を選ぶかをもっと意識して、舌と心の関係にも気を付け、知足と感謝を学んでいます。さまらさのことを実践するようになって、体は本当により軽くなり、喜びが溢れるように感じます。講座をしてくださる先輩たちにとても感謝します。より多くの人がさまらさを学んで、一緒に実践できるように願っています。

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さまらさ講座の内容は予想以上でした。深い教えを分かりやすく説明していただき、少しずつ理解できるようになりました。食事がどのように外側から内側に影響を与えていくかということ、食事が調えられれば生活も調えられることなどを学び、食事の大切さを深く感じました。
「心に従って食べるのではなく、旬の食材をいただく」という教えは、新たな気づきを与えてくれました。何を食べたらいいか分からない時、心の癖に従ってしまうことがよくあるので、どのように食事を選ぶのかを学べてよかったです。
すごいなぁと思ったのは、素材の気持ちになることです。初めて聞きました。それを知って、また少しグルの万物への優しい気持ちを知るようになった気がします。講座のどの内容も素晴らしかったです。すごく勉強になりました。料理することがより楽しく感じるようになりました。

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ある時、師がおっしゃったことを思い出した。
「世の中には食事の情報が溢れている。テレビをつけたらグルメの話ばっかりやろ。
その中で、さまらさの食事の考え方は他のどこにもない。たくさんの人に伝えていってほしい」

師と先輩方が、現代に生きる人々が日常の中でのヨーガを進めやすいように、食を入り口とした「さまらさ」という門を開いてくださった。ヨーガは実践あるのみ、そして、その奥にはいつも愛がある。現代も未来も、そしてどこにいても 誰もが、純粋な喜びの内にヨーガを知り、進んでいけますように!

▪️前編(3/16開講):なぜ私たちは食事を取るのか?「五蔵説」を通した身体の構造、食物の持つ性質、自然の道理―「旬」の食材を取ることが人間の体にとっていちばん適合性が良いことを学ぶ。

図「良質の食事とは」―翻訳、イラスト、デザイン:マハーヨーギー・ミッション 台湾

▪️後編(4/20開講): 舌と心には相関作用があり、食事を調えることは、思いと行為をも制御していく力を身に付けていくことになる。ヨーガの修行においては、日常生活のあらゆる場面で心の執着を客観的に見つめ直し、依存関係を断ち切っていくことが必要でそれはヨーガの目的である「何ものにも依存することのない自存」に繋がる。一方、私たちの体は自分一人の力で生存することは不可能なことに気が付かされ、「自然万物は支え合って生きている」。そして誰もの本質が歓びに満ち溢れた尊い存在であり、あるがままで満たされているー「知足」を学ぶ。

動画 日本のさまらさ・動画クラスの映像に台湾華語の字幕が付いた。

資料 師の聖句を台湾華語にて朗読いただく

サラニー


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