ある時、ヨーギーは自分の心に起こるすべての思いを制御しなければならないということを本で読んだことがあります。その時、すごいな〜と思う反面、大変だなぁと思いました。
思いは絶えず無秩序、無制御に湧き起るし、とてもじゃないけれどすべての思いは制御できそうにありません。
でもある時、師は言われました。
自分の体の行為、それから言葉、そしてまた心が何を思っているかという想念は、すべて知られている。知っていなければいけない。そうでなければ制御できない。そうでないと、単に習慣が我が物顔で体を支配してしまう。
これを伺って、「単に習慣が我が物顔で体を支配している」様子を思い浮かべると、何だかぞっとしました。
でも自分の行動をよく観察すれば、習慣的に無条件で行動し、言葉を話し、思いが湧き上がっているようです。実態を知ることから始め、ここにヨーガの条件を当てはめて習慣を変えていく、これが「識別」といわれる実践です。
知らず知らずについた習慣と言いますが、よくよく注意して自分自身の行動と言葉と思いを検証してみなければなりませんね。
ヨーギーとは、そんなとてつもないことをさり気なくしているのですね。
サーナンダ