シュリー・ラーマクリシュナの直弟子、スワミ・ブラマーナンダの教えをご紹介しています。
ある朝、スワミ・ニャネーシュワラナンダがまだ寝床も整えず、あたりを散らかしたまま急いで部屋を飛び出した。かれはマイダン(部屋のそばの広い空き地)でスワミ・ブラマーナンダに会った。かれが敬意を表すると、驚いたことにスワミ・ブラマーナンダが、「私を君の部屋に連れて行け。君の寝る場所が見たいのだ」と言った。スワミ・ニャネーシュワラナンダは恥じて、「もう少したってからおいでくださるわけには行きませんか。あなたがお越しになるとは思わなかったので、部屋はお迎えするにふさわしい状態ではございません」と答えた。スワミ・ブラマーナンダは言った。「我が子よ。いつも私を迎えられるようにしておかなければいけないのだよ」
ヨーガを学んでいる中で、次のような問答に出会いました。
「人はなぜ愛し愛されたいのか、人はなぜ幸福になりたいのか」
「なぜなら人は、その本性が愛であり至福だからである」
師からこの教えを授かった時、「なんと明瞭な答えなんだろう」と私は大変驚き、納得したのでした。そして師は、私たちが本来の愛そのものに立ち返ることができるように、他者に愛をもって献身奉仕し、その愛の姿を実際にこの世で表していきなさいと繰り返し教えてくださっています。私はまだまだ、この献身奉仕の本当の意味は分かっていないのかもしれません。でも心の中にいろいろな無知や煩悩などの余計な不純なものをかかえたままでは、とうてい自分自身を愛で満たし、他者へ献身奉仕をすることなどできるはずもないということは分かるようになりました。
スワミ・ブラマーナンダのこのエピソードは、本当の愛に戻りたいのなら、いつもその目標を見据え、常日頃の心がけや行ないを伴わせるよう、その努力と準備を怠らないように励みなさいと教えてくださっているのだと思いました。
ダルミニー