ラマナ・マハリシ

ラマナ・マハリシ(1879-1950)

何であれ、友人との競争には負けることがなかった屈託のない十七歳の少年に、「死」は突如としてやってきた。少年は死骸として横たわりながら、自らの深奥の声に耳を傾けていた。
「今、死がやって来た。これはいったい何を意味しているのか。何が死んでいくのか――この体が死ぬのだ。体が死ねば私も死んでしまうのか。いや体は生気を失っても、内側からは『私』という叫び声すら聞こえている。私とは体を超えた魂なのだ。体は滅びてしまうが、私は死に触れられることがない。私とは不滅の魂だ」

はっきりとした実在の意識を伴った、この死の体験以後、彼は永遠なるアートマン(真我)から離れることはなかった。真智を得たマハリシ(偉大なる聖仙)は、こうしてブラフマン(絶対者)という言葉すら知らぬままに、絶対の悟りへと目覚めた。

世俗の生活に全く興味を失い、彼は大きな力に突き動かされ、聖なるアルナーチャラの山へと旅立つ。
ただ真我に意識を留め、常にサマーディ(三昧)にある沈黙の行者のその輝く姿に人々は惹きつけられ、やがて古代のリシたちのごとく、彼の洞窟には多くの人が教えを求めてやってきた。高名な学者たちが、彼のダルシャン(祝福)を得ようとその足下にひれ伏す。苦悩に沈む者は、彼の眼差しから発せられる慈愛の光に癒され、動物たちでさえも、彼のひと触れのために集った。聖ラマナはいついかなる時も同じであった。その恩寵は遍く降り注がれる。
沈黙の中、彼は多くの求道者を“一なる真実在――真我”へと導いた。

「『私は誰か』という問いかけは、ついには人の真の本性――真我を実現します。あなたは真我以外の何ものでもなく、他のすべては単なる想念です。……そのまま“真我”でありなさい」

(絵:ダヤーマティー)

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