1896年2月24日、スワーミー・ヴィヴェーカーナンダはニューヨークで「わが師」という講演をされています。
この講演の中でヴィヴェーカーナンダは、師であるシュリー・ラーマクリシュナに出会った時のことを語られています。
「初めて、私は、自分は神を見ると言い切る人を、宗教は感じることができるところの、われわれがこの世界を感じるより遥かにもっと強烈な形で感じることができるところの、実在である、と言い切る人を見出したのです。(中略)そして実際に、宗教は与えられ得るものであることを見たのです。ひと触れ、一べつが、全生涯を変えることができるのです」
シュリー・ラーマクリシュナと触れ合い、その真実を感じた人から発せられた言葉は、どれほどのリアリティを持って聴衆に響いたことでしょうか。その場で話の内容の全てを理解はできなくても、心の奥深くに強烈な印象を残したに違いありません。
シュリー・ラーマクリシュナの生涯は他の本でも読むことができますが、ヴィヴェーカーナンダが講演されたその光景を想像しながら読むと、その力強い姿、輝く姿が想起され、心が湧き立ちます。きっと瞳は輝き、声は美しく響いたのだと想像します。
サルヴァーニー