ラマナ・マハリシ」カテゴリーアーカイブ

信仰をもつということ

人の真の性質は幸福です。真の自己の生得のものです。彼の幸福の探求は彼の自己の無意識の探求なのです。真の自己は不滅です。それゆえ人がそれを発見した時は、終わりのない幸福を発見したのです。                               ラマナ・マハリシ


私は本当に幸せになりたかった。でもいつも幸と不幸を繰り返していました。そういう状況を自分ではどうすることもできませんでした。世の中とはこういうものなのだと自分に言い聞かせていました。

それから私はヨーガを知り、そしてヨーガの師と巡り会い、ヨーガの教えを授かりました。その後で、このラマナ・マハリシの教えを目にした時、本当にはっとさせられました。自分は間違ったものに幸せを見つけようとしていた、幸せは外から与えられるものではない、幸せは自らの内にあるのだと気が付かされたのです。私はこの教えを深く信じ、そして自らの内にあるであろう至福の存在を深く信じたのでした。

それからの私は、このままではいけない、こんなつまらない、不完全な自分ではいけない、この心も身体も変えていかなければいけないと真剣に思いました。今のままでは到底その至福の存在を感じることはできないだろうと心底思ったのでした。

師から教えられたアーサナ(ヨーガのポーズ)や瞑想、聖典の学習や、日常でやるべきヨーガの教えにそった行為は、自らの内に輝くその至福の存在に見合うよう、恥ずかしくないよう、自分自身を正していくということを実践していったのだと思います。

師は、自信とはうぬぼれとかプライドのことではなく、自分を信じること、そうやって自分の信念をしっかりもって揺るぎないものとすること、さらにはそれが信仰になっていくと教えてくださいました。私はまずヨーガの教えを信じ、それからその自分を信じたのです。そしてそれは少しずつ信仰になりつつあるのだと感じています。

ダルミニー

 

在りし日のシュリ・ラマナ・マハリシ

在りし日のシュリ・ラマナ・マハリシ 

 


愛と明け渡し

今年も暮れて参りました。皆さんにとってはよい一年でしたか?

私の今年のテーマは「愛」でしたから、最後にバクティにまつわるお話をしたいと思います。

私が好きなラマナ・マハリシという19世紀の賢者がいます。マハリシは「私は誰か!?」という真我の探求を教えたギャーナ・ヨーギーとしてよく知られていますが、彼自身が書いた詩を目にした時に、私は、まるでラマナ・マハリシは、聖なるかがり火の山アルナーチャラに魅せられ、捕われたバクタではないかと思いました。アルナーチャラをクリシュナと読み替えれば、ラーダーそのものだと思ったのです。

アルナーチャラ

アルナーチャラという山はとても古い山で、地質学的には36億年前にできた山だそうです。山の起源について語られた古代の伝説によると、ヴィシュヌ神とブラフマー神の争いを仲裁するために光の柱になったシヴァ神は、そのままでは人々にはあまりにも眩しすぎるため、代わりにアルナーチャラの山に姿を変えたとされています。

ラマナ・マハリシ自身がアルナーチャラへの自らの想いをしたためた詩はいくつかあるのですが、私が好きな詩に「アルナーチャラに捧げる十一連の詩」があります。何だかとても狂っている表現に惹かれるのですが、今回はその中から四つを抜粋して紹介したいと思います。(全部読みたい方は『アルナーチャラ・ラマナ 愛と明け渡し』をお読みください)

アルナーチャラに捧げる十一連の詩より(抜粋)

ああ、アルナーチャラの姿をした愛よ!恩寵によって、私を求めたのはあなたなのに、あなた自身が姿を現さないなら、私はどうなってしまうのか? あなたに切なく恋焦がれながらも、世俗の闇に疲れ果て、途方に暮れるのか?太陽を見ずして蓮華が咲くだろうか?あなたは太陽の中の太陽。溢れんばかりの恩寵を湧き起こし、その流れを注ぎ込むのはあなたなのだ!

この世で成功するための能力を打ち壊し、あなたは私を役立たずのろくでなしにした。こんな惨めな状態で幸せになれる人などいない。こうして生きるよりは死ぬ方がましだ。ああ、世俗の狂喜を癒す山の姿をした超越的真我よ!あなたに夢中になった私に、あなたの御足にしがみつくという最高の薬を授けたまえ!

私は新たな発見をした!魂を磁石のように引きつけるこの丘は、それに想いを寄せる人の活動を止めて、丘に向かわせ、丘そのもののように彼を不動にし、その成熟した魂を食べてしまうのだ。何ということか!ああ、人々よ!気をつけなさい。これが偉大なるアルナーチャラ、ハートの中で輝く生命の破壊者である!

この丘を至高の存在とみなしたために破壊された人がいかに多いことか!ああ、悲惨なこの生に愛想をつかし、身体を棄て去る手段を探し求める者たちよ。この地上には、誰であれそれに想いを寄せただけで、その人を実際に殺すことなく殺す妙薬があるのだ。その妙薬こそ、この偉大なるアルナーチャラに他ならない!

ラマナ・マハリシ

マハリシ

マハリシにとって、アルナーチャラとは真我そのものであると同時に、父でありグルでした。マハリシはアルナーチャラに一切を明け渡し、生涯その御足下から離れることはありませんでした。真理においては二人は一つですが、この世界に顕現し、名前と形をもった「個」としての二人のリーラーの中での関係は、サットグルと弟子、父と子、花婿と花嫁だったと言われています。

今日12月30日は、偉大な賢者ラマナ・マハリシの御聖誕日です。

では、今年一年ブログを愛読していただき、ありがとうございました。皆さま、よいお年をお迎えください。来年が輝きに満ちた素晴しい一年となりますように!

サーナンダ

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