猛暑を抜けて、やっと秋らしい気配が感じられるようになってきました。一日の仕事が終わる夜更けには、美しい虫の鳴き声が聴こえてきます。
伸びやかな虫たちの声を耳で愛でながら、ふと、虫たちはただ命を全うしているのであって、こちらに声を届けようなんて、これっぽっちも思っていないんだな・・・と思いました。
ベランダの外に出て空を見上げると、漆黒の中で小さな星が絶え間なく輝き、大きな雲の切れ間からは柔らかい光が放たれています。
計らいのないみずみずしい生命がこの世界を美しく彩って、誰かのために当たり前のように存在している。自分もその煌めく1つの命なのだ、と思うと胸が熱くなるのでした。
amara