『Paramahamsa』表紙絵シリーズ⑫

インドの細密画に近いイメージでずっと描いてきた中で、日本画のようなヨギさんを描いてみたい、そう思って描いたうちの1つが今回ご紹介する『Paramahamsa』No.35の表紙絵です。

ヨギさんはインドのものだけではなく、日本や欧州の美術・デザインにも造詣が深くあられました。ヨギさんからはたくさんの方のお名前をお聞きしたように思います。そして、思いついたことなど、何を質問してもお答えいただけるのがいつも驚きでした。

その当時、私はヨギさんに図書館で美術書をよくご覧になっていたとお聞きしたことがあったと記憶していました。
そこで改めてシャーンティマイーさんにお聞きしてみると、図書館から白隠禅師や俵屋宗達、またその他、多くの巨匠の美術書をシャーンティマイーさんがよく借りてきていたそうなのです。ヨギさんはそれをご覧になっていたのですね。
そして、ヨギさんがおっしゃったことを教えていただきました。
本屋に行けば手軽に買える絵画のペーパーブックもあるけれど、そのようなものは色も出ていないし、安易に買ってはダメ。でも美術書なら色目もしっかりと表されている。本物を見ないとダメ。そう教えていただいたそうで、図書館から借りてくるという流れになったということでした。また展覧会などには、お母様とよく足を運び、度々本物に触れて来られたそうです。

これまで、ヨギさんが何かを選ばれるものを数少ないながらも見せていただいて、本当に良いものをご存知だからこそ、いろんなもので埋もれている中から、本物を見つけることができるんだと思ったことがありました。何事もあまり深く物事を探究せず、本物に触れることが少なかった私でも分かるくらい、ヨギさんの物を見る目は特別に感じられました。

私が描いたものは日本画というには申し訳ないほど、程遠いものではありますが、新たなヨギさんに触れていただけたら嬉しいです。

そして、今週土曜日、23日はいよいよ師の御聖誕祭です。きっと多くの人が心待ちにされていることでしょう。当日に参加できる方も、できない方もいらっしゃいますが、ヨギさんへのみんなの愛がいっぱい詰まった祝祭になりそうな予感。とても楽しみです!

シャチー


自分の中にある真実に瞑想することで、強くなる

静かで穏やかな人。
私が初めてマイトリーに会った時の印象です。

東京で共にヨーガを実践する中で、マイトリーから感じられる静けさがさらに深まったように感じることが何度かありました。マイトリーの中にある芯のようなものがどんどん強くなっている感じがしていたので、何を大切にしてどのようにヨーガを実践しているのか、話を聞いてみました。

スポーツクラブでひと通りの運動をやり尽くすほど、健康だったマイトリー。身体の自然治療力をもっと高めたいと思っていた時に興味を持ったのがヨーガ、やるからには本物のヨーガを教わりたいと思っていました。
2007年、都内のカフェで開催されたヨーガのワークショップに参加したマイトリーは、会の中で聞いた「真実は誰もの中にすでにある、1人の例外もなく」という言葉に強烈に惹かれ、その後すぐにMYMのアーサナクラスに参加。初めてのクラスが終わった後、会場を出て歩き始めると体の重心が持ち上がったような感じがして、意識はあるけれど自分と外界の境界がなくなった感覚に驚き、毎週クラスに通うようになりました。クラスに参加する度に呼吸が深まり、心身ともに軽くなるという変化を実感。
実践を続けるうちに、日常生活においても変化が起きました。以前は揉めることもあった家族のことを客観視できるようになり、感情に巻き込まれなくなったそうです。
気付いた時に感情を捨てる、それを繰り返すことで気持ちを切り替えられるようになり、仕事も家のことも、思いを引きずらず淡々と行う習慣が身に付きました。
「自分がどんな環境に置かれたとしても、やるべきことは同じと思って生活している」
この言葉を聞いて、私がマイトリーから感じた強さは、こうした実践の積み重ねによるものなのだと思いました。

師のお写真の隣に師が描かれたブラフマーンダ(梵卵)を置いて、瞑想しているそうです。

マイトリーにとっての目標は、誰もの中にある真実を実現すること。
寡黙で自ら語ることはあまりないけれど、
「ヨーガを始めた時から変わらずずっと、自分の中にある真実に、瞑想し続けている」
そう語るマイトリーの表情はとても穏やかで、揺るぎない強さを感じます。

素敵な笑顔のマイトリー


11/3 瞑想ワークショップのご報告

文化の日の11月3日、京都御前のマハーヨーギー・アーシュラマで「瞑想ワークショップ」〜芸術に秘められた真理に瞑想する〜が開催されました。

シュリー・マハーヨーギーが1988年に辰年の年賀状を書かれた時の龍(ナーガ)と、東京グルバイが制作したサハスラーラ・チャクラが参加者を迎えた。

当日は爽やかな秋晴れになり、多くのグルバイ(仲間)をはじめ、新規の方にもご参加いただき、たいへん歓びに溢れた会となりました。

会では、師シュリー・マハーヨーギーの手掛けられた芸術作品5点を鑑賞し、師の生涯やその作品に込められた意味や背景をご説明した後、各自が作品を1つ選んで瞑想しました。


その後、4人のスピーカーの方に師の作品に親しみ瞑想した体験談をお話していただきました。


私は司会進行役でしたが、会に向けて準備をしていく上で、師の芸術作品をじっくりと見ていきました。
そうすると、さまざまな疑問が湧き出てきました。
「なぜ、サハスラーラ・チャクラの中央は緑色なのか?」「白ターラーの鈴は何を象徴しているのか?」「如意輪観音のモチーフは何か?」「なぜ、師は無一物中無尽蔵の禅語を書こうと思われたのか?」etc
疑問が出てきては師の妹さんでもあり一番弟子のシャーンティマイーさんにお尋ねし謎解きを進め、当日を迎えました。
そんなことを数日ずっと続けていると、日常生活の中でもその仏や菩薩が至るところに見える経験があったのですが、体験談をお話してくださったスピーカーの方々は、師の作品に親しみ瞑想していくことで日常においてもさらに歓喜や慈悲を感じるといった体験があったそうです。
本当に師の芸術作品は心を真理へと導く物凄いエネルギーをもったものだと感じました。

何よりこの会では、参加された方がとても歓んでおられたのが印象的でした🪷


そしてこの度、師シュリー・マハーヨーギーの展示された作品5点が瞑想カードとして販売されることになりました!!!
詳しくはこちらをご覧になってください💁‍♂️「シュリー・マハーヨーギーの作品を瞑想カードに」

「無一物中無尽蔵」(1993年)

ゴーパーラ


呼吸が変われば生き方が変わる ~師から授かったアーサナ~

木々が少しずつ色付き始めていますね。太陽の光でキラキラしている赤い葉や黄色の葉、常緑の濃い緑色、いろんな色の葉っぱがふわ~っと揺れているのを見ると、全身に気が駆け巡るような歓びがこみ上げます。ポツポツ雨が降り始めると、水がこの世界を潤し、世界も自分も清められていく静かな気持ちになります。

そんなふうに感じるようになったのは、アーサナをしてきたことが関係しているように思います。アーサナは、瞑想するための身体の基礎をつくってくれるもので、その身体の源でもある呼吸を変化させると師から学んできました。その呼吸の変化は、自分の体と心をまるごと変えてくれます。ヨーガを知る前は、自分の呼吸について意識をしたこともなく、ヨーガを始めた動機も呼吸には特に関係ありませんでした。でも、今になって動機を振り返ると、実は「呼吸」が重要だったんだ・・・と実感します。

オレンジのマリーゴールド

近くの花壇のマリーゴールド。

20代半ばで師に初めてお会いし、人生の悩みをお伝えした日、師はヨーガの考え方をとっても簡単な言葉でたくさん教えてくださり、毎日アーサナを続けていけばいいよ、そうすれば自然に呼吸が変わって、そして心も落ち着く、そしていらないものは自然と剥がれ落ちていくから、ということを言ってくださいました。

師の雰囲気があまりにも静かで優しく、それでいて快活でユーモアに溢れていて、無垢な方で、一瞬で大好きになってしまい、アーサナを続ければこんなふうになれるのかな~と憧れました。クラス指導者の先輩たちも師と同じ雰囲気で、やっぱりヨーガを続けていけばこういうふうに私もなれるんだ~と思いました。人の雰囲気とか、佇まいとかの見えない空気感を形作っているものは、「気」や「呼吸」が関係していると感じています。

当時ヨーガを始めた動機の一つでもあった自分の悩みの原因は、外の環境にあると思っていましたが、ヨーガを学ぶにつれ原因は外ではなくて私の心、私の受け取り方にある、と客観的にとらえられていきました。だったら、心を変えよう!と決意するものの何度も知らないうちに同じ思い方をしてしまっていました。その同じ状態のままの心を使って自分で自分の心を変えることは割と難しく、意志の力だけではどうしようもない思考の癖や心の傾向みたいなものが邪魔をしてきて、私は私の思考から逃れることはできない・・・と堂々巡りの心と格闘することも多くありました。

しかしそんな時こそ毎日のアーサナに助けられました。アーサナには、自分の心と格闘せずに、それらは少し保留にしたままで、心を動かしている「気」を制御していくことで、心や考え方そのものを変えてしまう偉大な力がありました。アーサナを真剣にただ毎日続けることで自動的に呼吸が変化していくのです。呼吸が変わったことで心の癖や傾向も薄らいでいきました。アーサナクラスに通いながら家でアーサナをする日々の中で、荷物を下ろしていくように身軽になっていきました。

そしてヨーガを学び数年経った頃、どうすればもっともっと自分の憧れの状態に近づくのかと悩んでいたことがあり、その時に、呼吸に懸けようと決めて、アーサナクラスに週1回通うのは既に習慣でしたが、それ以上に通いつめ、家での毎日のアーサナも、より真剣に特に吐く息に意識を置くことを一定期間続けました。すると、停滞感や焦りはいつの間にか消えてゆき、その代わりに強い意志と入れ替わっていました。憧れの境地へたどり着くには一生かかるかもしれないけど、でもヨーガが好きだからあきらめないでずっとやっていこう!と。アーサナでひたすら吐く息に集中していったその経験は、自分の心を内奥から変え、たくさんの贈り物を与えてくれました。

師のアーサナを正しく続けると、呼吸が自然に変わります。今、生きているということは、呼吸をしている、ということでもあるので、その呼吸が変われば、生き方が変わることになります。心を変えるためには呼吸を変えるのが一番早道だと学んできました。

師は、正しいアーサナの復活もご自身の使命だとおっしゃっていました。師から教わり授かったアーサナを大切に守り伝承していくことは、自分たちの責任と使命でもあると感じています。そのためにもアーサナは怠らずに、これからも真剣に学び実践していきたいです。

プラーナ(気)が調うことで体感が変わり、見ている世界や感じる世界、そして生き方が変わりました。師と初めてお会いした日、師が私に言ってくださったように、誰でもアーサナを正しく真剣に行なえば、自分の中のいらないものは勝手に剥がれ落ちていくと思います。

ただ葉っぱが風に揺れているだけで、こんなにも嬉しく感動して愛おしいと思える心になったこと、かけがえのない師に感謝します。アーサナがもたらしてくれる素晴らしさを、一人でも多くの人と分かち合っていきたいです。

おにクル前の白い花

茨木市クラス会場、おにクル前の道の可愛い花。


~お知らせ~

11月9日(土)茨木市「おにクル」でヨーガ的 1から4の呼吸を知って、心を静め全集中を身に付けよう!という、まさに呼吸を変える1歩となる無料ワークショップもありますので、
ぜひ人生を変えるきっかけの1歩を体験しに来てください♪
⭐️ワークショップ体験後にクラス予約された方は、次回クラス受講料が 通常1500円のところ1000円で受講できます。

ナリニー


神の御名の力

10/20(日)待ちに待った丹波バクティ・サンガムを無事開催することができました。

予想外の寒さと時折雨が降り出しそうな空模様でしたが、共にキールタンを歌い、過ごす時間はよろこびに満ち溢れていました!!!
会の中でミラバイさんは、キールタンを歌い慣れていない方や初めて神の話を聞かれる方にも、少しでも理解が育まれるように、易しい言葉でキールタンや神について教えてくださいました。

参加者の方から嬉しいご感想が届きましたので、ご紹介させていただきます!

「ミラバイさんの声が素敵でした。ミラバイさんやみんなと歌っていると、嫌なことが全部吹き飛びます。本当に今日はありがとうございました。楽しかったです」

「とても心地良い時間でした。歌えるかなと心配もあったんだけれど、歌ってると、とても気持ち良かったです。みんなで歌う感じが、とても心地良かったです。実は私、ミラバイさんって、雲の上の人くらいに思ってたんです。本(『真実を求めて』)で知った人やから。けど、実際会ったら、なんて自然体な人なんだ〜って思った〜。ステキな方ですねー。
ヨガの神さまの話、興味深いものでしたよ。普段、そんな事話す機会ないから、お話、面白かったよ。クリシュナが、好きになりました」

私がとても印象的だったのは、会を終えた後の皆さんの顔がほころんで、柔和な雰囲気を感じたことです。 普段から一緒に歌っている仲間の中には、キールタンを歌うことは大好きだけど、神に対しては何か抵抗のようなものを感じておられた方がいらっしゃいました。けれど、この会を通して、ご本人は気付いておられないかもしれないけれど、何か受け取られたものがあったのではないかと感じました。

ミラバイさんは、クリシュナが、愛についてとてもシンプルな教えを説かれていたことを教えてくださいました。それは、「愛によって神に到達することができる」ということです。そして、それは知識も技術も何もいらない、ただただ純粋な愛だけがあればいい、たとえ神のことを知らなくても、御名を唱えることによって、少しずつ心の中に神への愛が生まれてくると思います、と話されました。

京都からはるばる足を運んでくださったミラバイさん、そして、いつも変わることなく見守り、導き続けてくださっているヨギさんへ、心から感謝を捧げます。

これからも、共に神の御名を唱える仲間が一人でも二人でも増えていくことを願って、活動を続けていきたいです。

藤原里美


「真理のことば」を拠り所として瞑想する

先日のブログで報告されたとおり、9月に東京で瞑想ワークショップを開催しました。
『マハーヨーギーの真理のことば』から厳選された24のことばの見出しをみて、その日のインスピレーションに従って気になる見出しをひとつ選び、そのことばを書き写し、しおりをつくり、そのことばに瞑想しました。

京都で行われた「ヨーガの一日」でしおりを作ったとき、「このしおりと共に、真理のことばを東京の皆さんにも届けたい!」と感じ、京都のグルバイの協力を得て、東京の国分寺クラスを担当するハルシャニーとともに企画。今回はクラス参加者など7名の方が参加してくださいました(とっても楽しかったです~)。

24のことば…、これは500以上ある『マハーヨーギーの真理のことば』の見出しから、京都のグルバイが「お守りのように大切にできることば」を厳選してくれたものです。
それぞれが選んだ真理のことばが素敵なしおりとなり、皆さんの拠り所となって瞑想する姿はとてもとても美しかった…!!
と同時に、京都のグルバイたちの献身に深く感謝しました。

今回欠席となった方もおられるので、次回ワークショップのネタバレにならないように、一部ですが見出しのことばをご紹介しますね。

「解決法は自分の中にある」
「永遠の幸せ」
「真理・真実在」
「他者のために行為する」
「自立自存」
「真の愛」
「ブッダその人のハートに集中する」
「大胆に覚悟し覚醒する」
「真理は不滅」  and more …

この日選んだことばは、その時の皆さんにぴったりと寄り添うことばであったに違いありません。だからこそ、そのことばに瞑想する姿は美しく、集中感あるものになったのだと思います。

真理とは、「永遠に変わらないもの」。一方、私たちの心は毎日、いや一瞬一瞬で変わるもの。その時の状況によって、選ぶことばが変わることもあるでしょう。

『マハーヨーギーの真理のことば』におさめられている500以上の真理のことばが、ひとつでも多く皆さんに届くといいなと思い、次回のワークショップを企画します。インスタにてご案内しますので、ぜひチェックしてくださいね。


ちなみに、私が京都のしおりづくりで選んだことばはこちらです。私がヨーガをライフワークとするなか、目標としていることが書いてありました。

「歓喜だけが在る」

それだけが在り、それによってこの宇宙が生まれ、万物が生まれ、それはただ、ただ歓ぶために、歓びを分かち合うために、それを味わいたい、ただ、それだけのために在る。
それを知って、それになり、それを生きる。それが全て。一つ一つの呼吸から微細な細胞に至るまで、全行為がそれの顕れ。智慧や愛もそのためにある。その歓びのためにある。
愛そのものになったなら、誰が愛を知ろうか。そこに在るのはただ歓喜だけ。それがそれの正体、それの本質。それだけが在ります。

 一日も早く、それだけになりますようにと願い、今日も一日頑張ります!

ターリカー


聖典に親しむ~『不滅の言葉(コタムリト)』

インドの大覚者シュリー・ラーマクリシュナの教えや出来事を、弟子であるM(マスター・マハーシャヤ)が書き残した『不滅の言葉(コタムリト)』から、在家の弟子の一人、ギリシュ・チャンドラ・ゴーシュとの問答をご紹介します。

ギリシュは詩人・劇作家・俳優でコルカタの社交界では際立った存在でした。師と出会う前の彼は、大酒飲みで放蕩生活を送っていて、また徹底した無神論者でした。しかし師と触れるようになって完全に別人となり、熱烈な信仰者に生まれ変わりました。


1884年12月14日 ラーマクリシュナはこの日、ギリシュの書いた劇を見物なさるために、スター劇場に来ておられます。
芝居が終わった後、ギリシュは自分の部屋に師をご案内しました。

ギリシュ「先生、私は、さして何もしていません。なのにどうしてまだ、こんなに仕事をしなければならないのでしょうか?」
ラーマクリシュナ「仕事をするのはいいことさ。土地が耕してあれば、どんな種を蒔いてもよく育つ。だが仕事は結果を期待しないですることだ。(中略)」
ギリシュ「はい、どうぞ私を祝福してくださいませ!」
ラーマクリシュナ「お前、マー(大実母)の名を信じろ、すべてがうまくいくよ」
ギリシュ「でも、私は罪びと※でございます!」
ラーマクリシュナ「罪だ、罪だと年中言っているバカが、ほんものの罪人になってしまうんだよ!」
ギリシュ「先生、私の座った場所は不浄な場所でございます」
ラーマクリシュナ「何をいうんだか!千年の間、真っ暗闇だった部屋にランプが入れば、少しずつ明るくなると思うかい?ちがう。いっぺんにパーッと明るくなるんだよ」
(※ギリシュは師と出会う以前に放蕩生活を送っていた自分のことを罪びとだと言っています。)


また別の日のことです。
ラーマクリシュナは純粋な少年たちと比較して、世俗の知恵に汚れた者を「ニンニクのつぶしたのを入れておいた器は、千度洗っても匂いがすっかりは消えないだろう?※」と例えられました。(※世俗の汚れがついたら、洗っても完全には消えないという例え)
ギリシュは自分のことを言っておられると少し傷ついていたので、師に質問しました。
ギリシュ「ニンニクの匂いは消える見込みがありましょうか?」
ラーマクリシュナ「消えるだろうさ」
ギリシュ「“消えるだろう”とおっしゃいましたね?」
ラーマクリシュナ「強い火で焼くと匂いはなくなる。ニンニクを入れてあった器だって、火を通せばもう匂わなくなるよ。新しい器に生まれかわるんだよ。自分はだめだと言っている者は、決して成功しない。解脱できると自信を持っている者は、ほんとに解脱する。縛られていると年中気にしている者は、縛られる以外にないよ。自信をもって力強く、「私は解脱できた」と言う人は、解脱しているんだよ!夜も昼も「私は縛られている、私は縛られている」と言い暮らしている人は、縛られる以外にないんだよ!」


ギリシュは自分の罪(過去)を重く受け止め、“罪びとである”と言っています。ですが、ラーマクリシュナが教えてくださるように、自分は罪びとであると思い続けていると、ずっと罪のことを考えてしまい、変わることはできません。罪を見つめるよりも、ラーマクリシュナが教えてくださるように、マー(真実の存在)を思い、それに近づけるよう努力することこそが大切なのだと気付かされます。
そしてラーマクリシュナはギリシュにニンニクの匂いは消えるだろう、とおっしゃっています。その言葉にギリシュはどんなに救われたことでしょうか。ラーマクリシュナの限りない祝福と恩寵を感じる問答です。

ラーマクリシュナが教えてくださるようにマー(真実の存在)を思うとしても、まずはそれを知るところから始まると思います。
11月3日に開催する瞑想ワークショップでは、「芸術に秘められた真理に瞑想する」というテーマで、アートに瞑想をします。神聖なアートを紐解き、真実の存在について知り、感じて頂ける機会になると思います。
どなたでもご参加いただけますので、ぜひお申し込みください。
詳しくはこちらから💁‍♀️(『瞑想WS』

サルヴァーニー


弟子と師の絆

『あるヨギの自叙伝』で、パラマハンサ・ヨーガーナンダと師のスワミ・スリ・ユクテスワが初めて出会う場面はとても感動します。二人は運命の絆で結ばれていました。

「尊い先生!(グルデーヴァ!)」
「おお、わが子よ、とうとう来たか!」
わが師は、この言葉をベンガル語で何度もくり返した。その声は喜びに震えていた。
「何と長い年月、お前の来るのを待ったことだろう!」
あとはもう言葉など必要はなかった。沈黙のうちに、二人の心は溶け合った。無言の雄弁が声なき聖歌をかなでながら、師の心から弟子の心に流れ込んだ。

『あるヨギの自叙伝』p. 102

左:スワミ・スリ・ユクテスワ 右:パラマハンサ・ヨーガーナンダ

スワミ・スリ・ユクテスワは、著書『聖なる科学』の中で、弟子と師の出会いについてこう述べています。

人はいつサット・グル(聖師)にめぐり会えるか

真剣な求道者が一定の進鏡(ルビ:しんきょう)に達すると、このような聖者にめぐり会う恩恵が与えられる。その人は、サット・グル(真理への道案内、救い主)として、求道者を霊的に導いてくれる。このような聖者の導きに忠実に従うことによって、求道者は、自分の全感覚器官の働きを、それらの共通の中枢であるスシュムナドワーラ(内なる世界への入り口)に集中することができるようになる。

『聖なる科学』p. 23

私は2019年の夏頃、師シュリー・マハーヨーギーと初めてお会いしました。師は、会って間もない私に対して、最大限の優しさをもって、導きを与えてくださいました。当時抱えていた仕事の悩みの原因について、分かりやすい言葉で説明し、真の自分(アートマン)を知ることが一番重要な仕事であると教えてくださいました。また、仕事の手を抜くのではなく、精度を上げ、効率化するのがよい、それによって色々進めやすくなっていくだろう、という具体的なアドバイスまで頂きました。その後、師の導きに従ってヨーガの修行を続けてきました。五年が経ち、気が付くと仕事の悩みは解消され、円満な暮らしを送っています。大変有難いことです。

師は弟子と師についてこのようにおっしゃっています。

真理を学ぶこと、内的な、あるいは外的な無私の行為、瞑想、これらを欠かさないこと。尊い存在に対する敬愛を深めること。そうしたことによって、弟子はいつかは誰かの弟子から、誰かの師と呼び名が変わるでしょう。弟子というのも師というのも、一つの段階の呼び名にすぎません。在るのは、名のない、名付けようのない真実の存在だけです。それが弟子の全てです。

『マハーヨーギーの真理のことば』第十六章 p. 531

師への感謝を忘れることなく、真の自己の実現に向けてヨーガの修行を続け、いつか師のような優しい人間になれたらと思います。

島本 廉


弟子のサットサンガ ~師を見倣う~

9月28日(土)京都アスニーにて弟子のサットサンガが開催されました。今回は、2018年5月に愛媛県松山市で開催された特別サットサンガの映像が上映されました。私は、当時そのサットサンガに参加していましたが、そこでの記憶が全くなく、映像を見ても、今の私が、映像の中のサットサンガに参加して、師であるヨギさんの教えに耳を傾けているというような感覚でした。

力強く、生き生きと実感を持って語られるヨギさんの真理のことばは、今を生きる私の胸を熱く鼓舞しました。

師:真実は物質ではないです。思いでもない。それは思いを超えたものですから。しかし、それは在ります! ただ在るとしか言えない! そしてまた、在ると言えるのは、それだけなのです。それだけが在ります!

質問者:それが本当の自分なのですね。

師:そうです。これはもう間違いなく誰もが実現できることです! 誰もがそれなのですから。

映像の中のヨギさんは、質問者に寄り添い、一人一人を大切に優しく、相手に必要なことを分かりやすく伝えられていました。その姿は当時感じていた以上に、自然にさりげなく、そしてそこには大きな愛と慈悲が溢れていたことを感じました。サットサンガという機会と時間は、なんと尊く奇跡のような時間だったのでしょうか!

私はこれまで、師の愛と慈悲からなされる行為を受け取りながら、同時に自分には到底できないと感じていました。しかし、ヨギさんがお隠れになった今、ヨギさんの教えを生きようとする時、いつでも胸に浮かぶヨギさんのお姿は、愛と慈悲に溢れていらっしゃるのです。拙いことは重々承知していますが、残りの人生を私もそのように生きたい!と決意しました。

これから諦めないで、命ある限り精進していこうと思います。

山口正美


【東京】瞑想ワークショップのご報告

9月29日、東京・国分寺で瞑想ワークショップを開催しました。 

国分寺のヨーガ・瞑想クラスでアーサナの実践を続けている方々に、瞑想により親しんでもらえるような機会を作りたいと思ったことが開催のきっかけでした。
事前に瞑想についてどう思うか質問すると、
・アーサナに比べて瞑想はやり方が分かりづらく、何となく難しい気がする。
・やっていてもこれで合っているのかが分からない。
・何に集中したらいいか良く分からない。
という答えが返ってきました。 
そこで今回のワークショップでは、瞑想の対象を具体的に決めて、そこに集中することを目的にしました。

当日は、3月に京都で開催された「春分の日企画 ヨーガの1日」で行われたしおり作りを体験してもらいました。

会場には『マハーヨーギーの真理のことば』より選び出した24のことばをご用意しており、皆さんがその中から惹かれることばを選び、葉っぱの形をした台紙に書き写してしおりを作りました。
どの方もことばを選ぶのが早かったのが印象的でした。きっと皆さんお一人お一人の中に響く言葉に出会えたのだと思います。
しおりを作り終えた後は、2種類のアーサナをして体を座りやすい状態に調えました。 

「真理」とは、永遠に変わらない存在のこと、それが誰もの中にあるということをお話しして、各自が選んだ「真理のことば」をじっくり読んでもらってから、瞑想しました。 

1回目の瞑想を行なった後感想を伺うと、いつもより集中できたという方もいれば、15分間座っていた事を伝えると、それ以上に長く感じたという方もいました。 
2回目の瞑想の前に、もう一度選んだことばを読み返してもらい、再び15分間座りました。みなさん2回目の瞑想の方がより集中されている様子でした。 


瞑想の後に再び感想を伺いました。
 
・クラスの時よりも集中して瞑想ができた気がする。 
・瞑想がとても心地良かった。 
・瞑想したら、すごくスッキリした。 

言葉だけでなく、皆さんの表情から、それぞれに良い体感があったことが伝わってきました。 

最後に、瞑想は対象という一点に集中することから始めて、ゆくゆくはその対象と一つになれるように集中を深めていくことが大切だとお伝えして会を終えました。 

終わった後のお茶会では、会の中で感じたことを中心にいろいろな話をしました。皆さんとヨーガのお話ができてとても楽しかったです。最後に作ったしおりを持って記念撮影

 

数日後、参加者のお一人にその後瞑想してみましたか?と尋ねると、続けています、との答えが。 

当日会場にタペストリーとしてアートマンが描かれた風呂敷を飾っていたのですが、誰もの中にある本当の自分を象徴として表現したものだとお話したことが印象に残ったそうで、人の形なんだ、と思ったら集中しやすくなった、と話してくれました。 

 

今回のワークショップを機に、瞑想に親しんでいただけたような気がします。 

不定期になりますが、今後もワークショップを開催しますので、興味のある方はぜひご参加ください! 

 

ハルシャニー